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おんでニャさいと

小中一貫教育はこれからの日本の学校のスタンダードモデルになるのではないか..(小中一貫三戸学園 三戸町立三戸小・中学校 中等部教頭先生インタビュー)

小坂 尚
小中一貫三戸学園 三戸町立三戸小・中学校(現五戸町立切谷内小学校) / 中等部教頭

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プロフィール

急なインタビューのご依頼にも関わらず、快くお答え下さった小坂教頭先生。
小中一貫教育について疑問に思っていることを素直に質問したのですが、一瞬も淀むことなく理路整然とわかりやすいお答えをいただきました。

小坂教頭先生は三戸町の小中一貫教育を、立ち上げから現在までずっと現場で支えていらした方。さすがです。

中学生が小学生に対して優しくなったと思います

小中一貫教育を導入したことによって見られる児童生徒の変化はどのようなものですか?

小坂:中学生が小さな小学生に対して優しくなったと思います。
これは中学生にしても自分も昔、ああいう幼い時代があったんだなと振り返るいい機会にもなりますし、そういった意味では照れくささとか、中学生なんだからという自覚ももちろん大切なんですが、小さい子をいたわるとか、思いやるということが普通の学校生活で実践できるというのはすごく、彼らにとっても貴重な体験だと思っています。

逆に小さい子どもたちにしてみると、中学生になったら部活動がんばれる、お勉強頑張る、だとか、将来は高校を受験していい大人になるんだとか、そういう、より目標が間近にいるわけだから、とてもやっぱり将来の見通しが持てるような子どもたち、自立した子どもたちになったような気がします。

ご父兄に変化は見られますか?

小坂:当初、戸惑いは正直あったようです。学校でとっているアンケートなど見ますと、理解が進んできて「一貫校の良さを活かした学校運営をしてもらってる」というふうに評価してもらっています。

例えば細かいことですけど、体育祭ですと1年生も9年生も一緒になった種目もあって、とても微笑ましいし、一貫校ならではの種目があるのがいいなあという声が非常に多く聞こえてきます。

先生方はご苦労もあるかと思うのですが、先生方の変化についても教えていただけますか?

小坂:従来よく中1ギャップと言われますね。小学校から中学校へ進む段階で。
実は先生方も指導法に関しては中1ギャップがあるんです。

小学校と中学校のギャップって非常に大きいものがあります。
本校では中学校の先生は小学校の指導スキル、よいところを身につける。
逆に小学校の教員は中学校の組織だった対応とか、緊急時の対応とか、そういうノウハウを吸収できる。
これも、ひとつの職員室で、みな机を並べて仕事をしてることによって、無意識のうちに、双方の良いところを取り入れるような姿勢がものすごくついてきたと感じています。
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広い職員室 小中の全教員が同じ職員室に机を並べます

これからの日本の学校のスタンダードモデルに

小中一貫教育を実践している学校や自治体はまだ少ないと思います。将来、もっと広がっていくものだとお考えですか?

小坂:小中一貫教育を実践している学校は青森県では3校しかないんですが、これからの日本の学校のスタンダードなモデルになっていくんじゃないかと思っています。これはやはり不登校の減少だとか、学力の向上ですとか、また財政の面からしてもひとつの学校に集中できることから教材、教具の予算の面から従来の学校にはなかった発想ができるので、非常に整った教育環境が整備されていくと思います。

ですから、小中一貫校が心配だなというよりも、小中一貫というのが入って来て、こんな良いところがあるんだ、ということをアピールすることによって、あ、なるほどそうかと思われるような、外から来た人たちに対してもですね、そう思ってもらえるように説明やガイダンスは力を入れているところです。

9年間を通して教育するから、思いやり、優しい心を身につけ実践力に高められる

三戸学園には独自の教科「立志科」があります。立志科の意義や特徴を教えていただけますか?

小坂:思いやり、優しい心を持とうというのは、普通、日本ではどこでもやられているような教育です。でも、思いやりの心や、優しい心を身につけさせて、これを実践力に高めるためには1年間じゃ無理だと思います。

これはやっぱり9年続けて、それぐらいの長いスパンじゃないと子どもたちには身につかない力だと、私たちは捉えているわけなんですね。普通の学校ですと1年間でなんとか完結させようとする。でもそれだと決して身につかないことだと私たちは考えています。それを9年間で確実に身につけさせるということで、優れて理にかなっている指導方法じゃないかと思っています。

それから従来、道徳で、道徳という教科で、やさしい心だとか、おもいやりだとかを気付く、心の変化はあるんですが、それを今度、実践力に活かす授業というのはなかったんですね。

立志科というのはそれらを融合した教科になるので、気付く段階からそれを実践して、そして振り返るというところまでを全部セットで単元化しているので、確実に実践力まで高めることができる。これも従来の学習指導要領ではできなかったところのひとつです。立志科の最大の特徴と言っていいかもしれません。
三戸小中学校そうじ風景
清掃がんばり週間 1年生〜9年生が一緒に校内清掃をがんばります

移住に伴い小学校6年・中学校3年の制度に慣れてきた保護者が、初等部4年・中等部3年・高等部2年の三戸小中学校に移ってくると戸惑い、不安があると思うのですが、そういう方にはなんと説明しますか?

小坂:私達も含めて、保護者の方も皆6・3制でずっと来ました。
今、社会情勢がどんどんどんどん変化してきました。子どもたちを取り巻く教育環境も変化してきているわけです。

また、従来高学年でなければ扱えなかった内容、例えばスマートフォンだったり、携帯電話だったり、パソコンだったりという授業は、小さな子どもたち、低学年の子供達でさえ扱える時代になってきていまして、社会の変化とともに子どもの成長って驚くほど早いので、従来6年生じゃなきゃ出来なかったことが、いま、4年生でも子どもたちはできるという教育環境にあるということが、まず言えると思いますね。

そういう意味で4・3・2というくくりは決して早いとか遅いとか、そういう不安ではなくて、むしろ今の時代に見合ったですね、それぞれのステージでそれぞれの到達目標を設けて、それにちかづいていくためには、そういう刻みのほうがいまの社会情勢にあっているんじゃないかなと思ってます。

支援が必要なお子さんをお迎えする体制は十分にとっているつもりです

三戸小中学校は、支援が必要なお子さんへの教育体制が整っているということですが、その点について詳しく教えていただけますか?

小坂:本校は、特別支援教育の施設、、教材、設備、それから人的な配置は非常に恵まれている学校で、三戸町だけではなくて、三戸郡のなかでもセンター的な機能を果たしているような学校です。

たとえば玄関とか教室とかはその特性に応じた作りになっておりますし、自分の子どもに関して相談をしたいという外部の人は外の玄関から入れるようにという配慮もしております。

障害がある子どもを受け入れる側の親学級の子どもたち、そういう子どもたちも偏見を持たないような教育をインクルーシブ教育と言います。当校はインクルーシブ教育に力を入れていますので、様々な問題を持った子どもも、そうじゃない通常学級の子どももいっしょに交流する場面を多くもっています。

よく聞かれるところではあるんですが、安心してですね、お迎えできればいいかなと。そういう体制は十分にとっているつもりです。

インタビューを終えて、なおも気になること

小坂教頭先生にお話しを聞くと、小中一貫教育が保護者にも先生方にも理解され、浸透していると感じました。

しかし私たちは、6年(小学校)・3年(中学校)という制度に馴染んできたために、まだ疑問に思うこともあります。

三戸学園の4年(初等部)・3年(中等部)・2年(高等部)というくくりのなかでは、一般的な学校の小学6年生と中学校1年生がそれぞれ中等部の6年生と7年生という立場です。

6・3制のなかでは小学6年生は小学校の最上級生。
でも、4・3・2制のなかでは中等部の2番目。

6・3制のなかでは中学1年生は中学校の最下級生。
でも、4・3・2制のなかで7年生は中等部の最上級生。

この違い、児童生徒にも、先生たちにも、保護者にも、いろいろ影響が大きいのでは?
と考えてしまいます。

その疑問を校長先生に聞いてみました。
こちらのページでご確認ください。

小中一貫三戸学園 三戸町立 三戸小・中学校

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